一般眼科・その他

目に関するさまざまなこと

小児の眼(学校検診から)

弱視 - 6月10日は“子供の眼の日” -

ヒトは生まれた時からいい視力ではありません。
最初はお母さんの顔がわかるところから始まって、徐々に視力が向上します。
この視力の発育が何らかの原因で止まってしまった状態を弱視と言います。
その治療は小学校低学年までになされないと、視力の向上は望めません。
日本眼科医会では「6歳までに1.0の視力を」という願いをこめて6月1日を“子供の眼の日”に指定しています。
お子様の眼で気になることがおありでしたら、また、検診(3歳児、就学時、学校)で低視力が指摘されたらご相談下さい。

屈折異常 - 必要に応じた適正な矯正を -

成長するに従い徐々に視力が低下し、屈折異常(近視・遠視・乱視)が出現します。
主に近見作業(近くを見る)が原因の近視ですが、ある程度視力低下が進むと矯正が必要になります。
しかし、他の病気や、心のストレスからくる視力低下もありますし、過矯正(必要以上に強い矯正)を防ぐためにも、まず眼科専門医の診断と対応を求めることが大事です。

色覚異常 - 生活上の注意を知り、進路選択のため -

色覚異常は意外と多く、日本人の男性の5%、女性の0.2%にみられます。
学校生活や社会生活にそれほど支障はありませんが、注意すべき状況があります。
また、以前ほど色覚異常の人を制限する職業や資格は少なくなりましたが、運転関係、自衛官、警察官、消防官、毒劇薬物取扱い責任者、ふぐ調理師など色覚異常が問題となることもあります。
自分自身やお子さんの色覚がどうであるか知っておくのもいいと思います。

痒い・乾く・疲れる(現代人の悩み)

アレルギー性結膜炎 - “孫の手”点眼と“転ばぬ先の杖”点眼 -

アレルギー性疾患(喘息や花粉症)は、今や日本人のほぼ半数にみられ、もはや国民病と言っても差し支えありません。
眼科領域でも結膜炎の有病率は、30年前は20%でしたが、現在は45%に達しています。

その治療法で一般的なのは、眼のかゆみなどの症状が出現した時点で、“孫の手”点眼によるかゆみ軽減治療だと思います。
点眼も年々進歩していて、以前は難治であったものが治癒できるようになっています。

紹介したい点眼は“転ばぬ先の杖”点眼です。
初期治療と言いますが、症状の出る数週間前から点眼治療をすることにより、症状の出ることを抑えることや、症状を軽くすることが期待できるものです。
点眼開始の時季は季節の変わり目です。
「東風吹かば(立春)」、「蛙始めて鳴く(立夏)」、「涼風至る(立秋)」、「初時雨(立冬)」など、小さな季節の変化を肌で感じたら相談してみて下さい。

ドライアイ・眼精疲労 - ただの乾き眼や疲れ目か? -

来院する患者さんの最も多い訴えは「乾く」「疲れる」です。
生活習慣から現代人の全てが、これらの訴えがあると言ってもいいかと思います。
この場合のポイントは、ただの“乾き眼”や“疲れ目”としていいのか? 何らかの病気があって、その症状としての訴えなのか? を知ることです。
後者の場合、CLが合っていなかったり、睫毛(まつげ)が当たっていたり、老眼だったりするものから、重篤な病気が存在していることもあります。
また、ただのドライアイでも、その種類から処方する点眼はまちまちですし、ただの眼精疲労の場合、点眼の種類は限られますが、生活習慣の改善が必要であったりします。