アレルギー性疾患(喘息や花粉症)は、今や日本人のほぼ半数にみられ、もはや国民病と言っても差し支えありません。
眼科領域でも結膜炎の有病率は、30年前は20%でしたが、現在は45%に達しています。
その治療法で一般的なのは、眼のかゆみなどの症状が出現した時点で、“孫の手”点眼によるかゆみ軽減治療だと思います。
点眼も年々進歩していて、以前は難治であったものが治癒できるようになっています。
紹介したい点眼は“転ばぬ先の杖”点眼です。
初期治療と言いますが、症状の出る数週間前から点眼治療をすることにより、症状の出ることを抑えることや、症状を軽くすることが期待できるものです。
点眼開始の時季は季節の変わり目です。
「東風吹かば(立春)」、「蛙始めて鳴く(立夏)」、「涼風至る(立秋)」、「初時雨(立冬)」など、小さな季節の変化を肌で感じたら相談してみて下さい。
来院する患者さまの最も多い訴えは「乾く」「疲れる」です。
生活習慣から現代人の全てが、これらの訴えがあると言ってもいいかと思います。
この場合のポイントは、ただの“乾き眼”や“疲れ目”としていいのか? 何らかの病気があって、その症状としての訴えなのか? を知ることです。
後者の場合、CLが合っていなかったり、睫毛(まつげ)が当たっていたり、老眼だったりするものから、重篤な病気が存在していることもあります。
また、ただのドライアイでも、その種類から処方する点眼はまちまちですし、ただの眼精疲労の場合、点眼の種類は限られますが、生活習慣の改善が必要であったりします。